事業者段階における苦情体制整備の具体的方法についてご説明します。
規定や様式はダウンロードできますので(microsoftWORD)、御利用下さい。
「社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律(平成12年6月1日 法律第111号」の施行に伴い、社会福祉法第82条により、社会福祉事業の経営者は、常にその提供する福祉サービスについて、利用者等からの苦情の適切な解決に努めなければならないものとされました。
これに伴い、厚生労働省(当時 厚生省)は「⇒苦情解決の仕組みの指針」を出しました。ここでは苦情解決体制について具体的に示されました。そこで3つの役割が示されました。
役割 | 属性 | |
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1.苦情解決責任者 | 名前のとおり、苦情解決における責任者です。 | 施設長や理事がふさわしいとされています。 |
2.苦情受付担当者 | 苦情の受付、記録、苦情解決責任者への報告など。 | 当該事業所職員が担当します。 |
3.第三者委員 | 基本的には苦情の受付は「苦情受付担当者」ですが、職員でもある苦情受付担当者には言いにくい場合もあり、そのため、事業所との関係が「第三者的」な立場にある苦情 受付担当者です。 | 社会福祉士、民生委員児童委員、大学教授、弁護士、事業所の評議員(理事は除く)、監事または監査役などが指針に例示されています。(県内事業所では2人~3人の設置が約6割です) |
具体的な苦情体制整備の手順としては
となります。 ⇒第三者委員委嘱状
体制整備が整ったあとの具体的な業務手順は・・・
手順 | 内容 | 書類 (ダウンロード可) |
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1.苦情受付
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苦情の申し出は、苦情受付担当者に申し出ますが、直接第三者委員に申し出ることもできる。 受付担当者は苦情内容、申出人の希望等、第三者委員への報告の要否、苦情申出人と苦情解決責任者の話合いへの第三者委員の助言、立会いの要否を申出人に確認し、記録する。 |
(⇒苦情受付書) |
2.苦情受付の報告
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苦情受付担当者は苦情を苦情解決責任者と第三者委員に伝える。(第三者委員への報告は申出人が拒否した場合は行わない) | |
3.第三者委員による内容確認と申出人への通知
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第三者委員は、苦情受付担当者から苦情内容の報告を受けた場合、内容を確認するとともに、苦情申出人に対して報告を受けた旨を通知する。 | (⇒苦情受付報告書) |
4.苦情解決に向けての話し合い
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苦情解決責任者は、苦情申出人と話し合いを行い、解決に努める。第三者委員が立ち会う場合は、第三者委員は苦情内容の確認、解決案の調整・助言等をする。 | |
5.苦情解決の報告・公表
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苦情解決責任者は、一定期間ごとに結果について第三者委員に報告し、必要な助言を受ける。また、申出人に改善を約束した事項について申出人及び第三者委員に一定期間経過後報告する。(苦情解決や改善を重ね、実効あるものとするため、記録と報告を積み重ねる) 利用者によるサービスの選択やサービスの質や信頼性の向上を図るため、個人情報に関するものを除き、事業報告書等に実績を掲載し、公表する。 |
(⇒苦情結果報告書) |
※なお、「苦情解決」の仕組みは、事業毎に整備する必要はない(第三者委員は共通等)ことを申し添えます。