社会福祉法人伸晃会 ひよこ保育園
1.第三者評価機関名
有限会社プログレ総合研究所
2.訪問調査実施日
平成25年1月15日・16日
3.事業者(受審施設)情報
4.評価の総評
◎評価の高い点
- 法人の掲げる三つの基本理念に基づく保育を推進するために、理事長・園長を中心とした取り組みがなされており、子どもたちを大切にする保育、親の気持ちを大切にする保育が実践されている。
- 保育事務業務(児童票・各種計画・保育日誌等)がシステム化され、関係職員全てがネットワークでアクセスできる環境が構築され、情報の共有化はもちろん、検索性の向上、書類のペーパーレス化、事務業務の簡略化が進み有機的に機能している。
- 地域行事への参加や園庭開放等を通し、地域住民との連携を深めている。また、月1回行っている「ひよこの会」では、地域の親子を対象に行事参加・保育体験・育児相談など、保育の専門的知識や能力を地域社会のために展開している。
- 職員の就業環境や意向の把握としては、個人面談後に自己申告書を提出し、上司の評価を得て、2回目の面談を行う体制を確立し,職員の意向の把握に努めている。
- 課外活動が豊富、体力づくりの中でスイミング、体操教室、サッカー教室などを学べたり、園外でのお泊り保育など様々な体験が出来るようになっている。
- 食育計画の主な活動として、季節の行事を理解するための、「七草粥」「こいのぼりのミートローフ」「月見うどん」、魚の正しい食べ方を理解するための行事(秋の園庭でサンマを一人一匹焼き丸ごと食べる)を通しての食育、食の大切さを子どもに伝えている。また、4・5歳児については給食に使われている食材の話を栄養士が毎日行い、食材についての知識を学ぶ場を作っている。
- 園長は施設長の責任を果たすために、県内複数園の園長等で「保育の研究・実践」集団を組織・運営し、昨年度は県が推奨する補助金事業の一環として、「保育力を高める」研修をその組織で開催している。
- 食事の量や好みについては、「偏食のある子は少量に」「おかわりは自主的に」等、給食が子どもの負担にならないような配慮がなされている。
- 保護者との協力関係を円滑にするために、「入園のしおり」「クラスだより」「保健だより」「給食だより」等の印刷物をはじめ、園内掲示板に「週案」や「行政からのお知らせ」を掲示する等、紙媒体で保育園に関する多種多様な情報を伝えている他、ホームページ上のライブカメラ、一斉メールシステム等のデジタル媒体での情報発信も積極的に行っている。
- 衛生管理の取り組みとして、給食関係者は「従業員細菌検査書」(5項目)による検査を受けており、毎日「個人衛生点検表」(9項目)「衛生チェック表」(30項目)を行っている。
- 「年間保育目標計画」(年齢別)・「月間指導計画」(年齢別)等に基づき、一人ひとりの子どもの発達過程・活動内容のバランスや調和を図りながら、安定感を持って過ごせるための援助が適切に行われている。
◇改善に向けて取り組んでいる点
- 情報の共有化をより一層進めていくための仕組みの構築を園長を中心にすすめている。
- より良い保育のあり方を探求するため理事長が中心となり、幅広い情報収集活動を行うとともに研究を進めている。
5.事業者のコメント
同法人六供ひよこ保育園が平成23年度に第三者評価を受審し、その結果、組織として大変良い効果が得られたので今回本園でも受けることになりました。
当初は、「ISO9001を既に取得したから必要ないのではないか?」「職員の負担につながるのではないか?」「本当に効果があるのか?」等々、不安要素もありましたが、実際に取組み始めると、既存のISO9001マニュアルをより保育現場に即した内容にリニューアルする中で、自園の取り組んでいる保育を見つめ直し、私たちの理念を実現するための保育一つ一つの棚卸が職員全員で出来たことはとても素晴らしい経験だったと思います。また、一人ひとりが主体的に関わることにより、マニュアルへの関心が一層深まり、更なる共通認識の場がもてたようにも感じます。
そして今回の受審が予想以上にスムーズに出来たのは「子どもたちにとってより良い保育を実現しよう」という大きな目標に向かって実践し、その結果を次の保育につなげていくという、PDCAサイクルの循環がISO9001を取得していたことにより職員全員に浸透していたおかげであることは言うまでもありません。
これからも本園では職員の間で前述のようなDNAをしっかりと引き継ぎ、子どもたちとともに更なる成長をしていきたいと思います。
6.評価結果
※評価基準の項目毎の評価結果が見ることができます。
各項目毎の評価結果(270KB)